高校の家庭科で投資信託の授業が導入されるという話を聞きました。
こういう取り組みはとても良いことだと思います。
しかし学校の授業だけでお金の知識って本当に身につくのでしょうか?
【子供にとって借金がより身近な存在になってくる】
来年4月から民法上の成人年齢が18歳に引き下げられます。
それに伴って貸金業者の約3割~4割が18~19歳の若者にお金を貸し付ける意向を示しているそうです。
また限度額に制限を設ける会社もある一方で20歳以上と変わらぬ金額を貸し付ける予定の会社も相当数あるとのこと。
親の同意を取らずに従来の成人と同様の貸し付けができてしまうような金融機関も1割ほどですが出てくるそうなので、子供へのお金の教育はますます重要になってくると思われます。
また現状では大学進学者の約半分の人が奨学金を利用しており、平均して400~500万円借り入れをしていると言われています。
奨学金制度自体は悪いものではないし、それが必要な人も大勢いるでしょう。
しかし奨学金は低金利の借金であるという認識が薄いまま、安易に借りすぎて社会人になってから多額の返済に苦労するというケースもままあるようです。
奨学金を利用する時には、きちんとした金融教育に基づく慎重な判断が重要なのではないでしょうか。
さらに言えばテレビやYouTubeでは日常的にカードローンや消費者金融の広告が流れていますし、メルカリなどのフリマアプリでも定額払いと称した実質的なリボ払いが当たり前に導入されている昨今。
借金するという行為は昔に比べると若者たちにとってかなりカジュアルな感覚になっているのではないかと心配です。
【学校の授業だけで大丈夫?】
翻って学校現場はどうでしょうか?
来年の4月から高校の家庭科で投資信託の学習が導入されるそうです。
個人的には「ん?なんで投資信託限定?」という疑問もなくはないのですが、お金の勉強がカリキュラムに導入されるのは方針として良いことだと思っています。
とはいえ、週一回程度の家庭科の授業で実際どれだけのことが学べるのでしょうか。
しかも家庭科の授業の中でということはお金の勉強だけを毎週扱うわけではなくて、料理や裁縫やその他もろもろの家庭科の学習の中の一つってことですよね?
また学校の先生も公務員なので基本副業禁止だから確定申告とかしたこともないだろうし税金の知識もない人のほうが多いのではないかと思います。
それどころか投資すら経験したことのない先生も大勢いるのではないでしょうか。
教える本人ですらよくわかっていないお金のことを果たしてどれだけの先生が家庭科の授業でまともに取り上げてくれるのか甚だ疑問です。
聞くところによると金融庁の職員さんが全国の学校を回って授業を行うなどという話もあるそうですが、限られた人数の職員さんがそんなに時間をかけることは難しいでしょうし、全国ちゃんと回りきれるのかも疑問ですよね。
来てくれたとしてもおそらく年一回のスペシャルイベントみたいな扱いになるのだろうなぁという感じです。
ちょっと悲観的ではありますが、お金の勉強は家庭科の教科書には盛り込まれるけど実際の授業では取り上げない、そんな感じが現状になるのではないかなと私は予想しています。
子供たちにお金の大切さや正しい使い方や知識を教えるのであれば、できれば起業経験のある人や投資経験の豊富な人に入ってもらって、時間割に専用の枠を作って経験則に基づいた話ができたほうが生きた授業ができるのだろうと思います。
しかし現実問題としてそれは不可能です。
やはりお金の知識の根本的な部分は、学校に頼らず個々の家庭で親がきちんと教えてあげる必要があるのではないかなと思います。
【お金の教育は親しかできない】
お金の話はとてもセンシティブなものです。
学校で体系的に教わっても具体的に活用する話となると個々の家庭で、親自身の体験や家庭の実情に基づいて親が直接子供に教育をするのが一番身につきやすいしわかりやすいと思います。
家庭の財政は様々です。
お金が豊富な家庭もあればそうでない家庭もあると思います。
それぞれの家庭の実情にあった方針で、奨学金の話やクレジットの利用や投資に関する知識など、社会に出てから困らないようそれぞれの子供に合った教育の仕方をするのが良いのではないでしょうか。
そしてそれができるのは、我が子のことを一番に考え一番よく理解している親しかいないと思うのです。
今日は子供にとって借金って意外と身近な存在になる、そしてお金の教育を学校現場に丸投げするのはNG、という話をしてみました。
クレジットや奨学金など、子供が最初に出会う社会的なお金の現場が奨学金など借金関係の可能性が高いというのもなんだかなぁという感じですが、それだけに正しい知識や賢い運用の仕方、安易に使う危険性を知っておくのはとても大切なことです。
大事なお子様が将来お金で困ることのないよう、それぞれのご家庭できちんと教育できればいいなと思うのでありました。
ではでは~!