投資信託を購入する時に地域の分散を気にされる方もいらっしゃると思います。
「米国株や日本株だけに集中させるのはリスキーだから全世界に投資したい」という意見もよく聞かれるところです。
全世界型の投資信託を購入する理由の多くは地域分散を気にされてのご判断かと思います。
しかし本当にそれって意味があるのでしょうか?
これから一緒に見てみましょう。
【全世界型と言っても実際は…】
「全世界型ならこれ一本で世界中の国に投資できるから見直しは必要ないよ!」
という意見も散見されますが、私はちょっと違うと思っています。
例えば積立NISAで人気の高いeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)について目論見書で構成比率を見てみると、なんと60%近くが米国株によって運用されています。
そしてその他の国はそれぞれ数%ずつしか運用されていません。
つまり実質的に運用の半分以上が米国株に依存されているファンドということになります。
このように全世界型だからといって必ずしもバランスの良い構成比ではないということは念頭に置いて、定期的に資産配分を見直しするように気を付けるべきかと思います。
【地域分散自体に意味がない?】
一方で、そもそも地域分散にはそれほど意味がないという意見があることも事実です。
今は米国で株安が起これば日本もユーロ圏も新興国も連動した動きになり結果的に世界同時株安となるので、地域を意識した分散自体が機能していないという見方もあるわけです。
確かに米国株式、先進国株式、全世界株式等々のインデックスファンドを比較してみると、それぞれのチャートはどれも似たような動きとなっており、パフォーマンスに大きな違いはなさそうです。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 投資信託 | 楽天証券
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 投資信託 | 楽天証券
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 投資信託 | 楽天証券
【あくまでも地域で分散したいなら】
これは一案ですが、個人的にはリスク分散という意味で全世界型のファンドを選ぶのであればeMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)のほうが、パフォーマンスは若干見劣りしますが目的に叶った投資ができるのではないかなと思います。
当ファンドの構成比率を見ると日本株・先進国株・新興国株の3種類に綺麗に配分されています。
日本株の比率が高めなのが若干気になるところですが、国内で他に投資をしていないならこの構成比率でも問題ないのではないでしょうか。
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型) | 投資信託 | 楽天証券
【より高いリターンを狙いたいなら】
地域の分散に意味がないとするならば投資信託とゴールドを同額で購入するなど投資対象を複数にすることでリスクを分散して、投資信託は一番パフォーマンスのよい米国株式に一点集中投資するのもアリかと思います。
特に積立NISAで投資を行う場合は利益分が非課税になるので、極力パフォーマンスの高い銘柄に絞って投資したほうがより高いリターンが期待でき、非課税のメリットを最大限に活かせるのではないでしょうか。
今回は全世界型の投資信託一本選べば本当に万能と言えるのか、どのように考えれば効果的な投資ができるのかについて簡単に考察してみました。
とはいえ、投資はあくまでも自己責任です。
これらは私の個人的な見解ですので最終的な判断はご自身で行うようにしてくださいね!
ではでは~!