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年金保険料を返せ?元気なうちに年金がほしい? ~年金の本質を考えよう!~

 

「年金はもういらないから今まで払った保険料を返して!」

って最近よく聞く言葉ですが、それは制度的にできません。

しかし仮に可能だったとしても本当にそれって正しい考え方なのでしょうか?

これから一緒に年金の本質について考えてみましょう!

 

 

 

 

【年金は税金からも支払われる!】

 

年金は貯金や投資ではなく保険です。

そして年金は保険料だけではなく税金も支払いの財源となっています。

そのため仮に年金をもらわない代わりに保険料が免除されたとしても年金の支払いにかかる税金は払い続けることになります。

年金なんていらないから私だけ消費税を5%にしてくれとか私だけ所得税や住民税を割引いてくれなんてできないでしょう?

ですから、保険料を払ってでも年金はちゃんともらわないと結果的に税金の払い損になってしまいます。

 

 

 

 

【年金は保険なので死亡時の保障もついている】

 

年金を貯金や投資と勘違いしているかたが一定数おられるようですが、年金はれっきとした保険です。

そのため被保険者が死亡したり障がい者となった場合、遺族に対して「遺族年金」が支払われます。

年金未加入だとこの遺族年金を受け取ることもできなくなってしまうというリスクもあるのです。

 

ちなみに保険とは何らかのリスクに対する備えをすることを言います。

では年金の場合は何に対する備えかというと前述の若くして死亡するリスクともう一つ、長生きしてしまったリスクです。

 

 

 

【日本人の寿命はどんどん伸びている】

 

日本で初めて年金制度が作られた時、受給開始年齢は55歳でした。

それから数年ごとに1歳ずつ引き上げられ、昭和60年には男性65歳、女性60歳まで引き上げられました。

その後平成12年には男女とも65歳に引き上げられています。

 

ここで考えるべきは日本人の平均寿命です。

日本人の平均寿命は年を追うごとに延びています。

さきほど年金は長生きリスクに対する備えだと言いましたね?

つまり働く体力はもうないけどまだ生きている、自分で生活するだけの収入を得る手段がないけどまだ死んでいない。

そういうリスクに備えるのが年金なのです。

 

 

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【年金は元気な時にもらうものではない】

 

「元気なうちじゃないと楽しくお金が使えないから早く年金がほしい」

という意見をよく聞きますが、これは年金の本質をわかっていない意見なのではないでしょうか。


確かにピンピンコロリは理想的な死に方かもしれませんが、実際は体の自由が利かなくなったり入院したりといった期間を経てから亡くなる人が大半だと思います。

その期間蓄えがなく、働くこともできなかったらどうやって生きていくのでしょう?

病気の治療や入院にはお金がかかるのに年齢的な理由や体力的な理由で働くことはもうできない。

本来そういうリスクに備えるのが年金というものなのです。


早くから病気がちで働けなくなったなどの理由があるなら繰上げ受給を利用するのは良いです。

しかし単純に遊ぶお金を早くもらいたいから繰上げ受給するのはいかがなものかと思います。

年金は単なるお小遣いや現役時代に頑張ったご褒美ではありません。

だから元気なうちに早く年金がほしいというのは、年金の意義を理解していない、年金を貯金や投資と勘違いしている証拠とも言えるのではないかと思うのです。


年金は繰上げ受給すると減額されます。

減額された少ない年金で万が一長生きしてしまったらどうしますか?

病気がちの身体で長生きしてしまった時、年金に頼らないだけの豊かな資金をちゃんと確保できていますか?

しつこいようですが年金は保険です。

貯金や投資ではありませんから、損得勘定で考えると本質を見誤ってしまいます。

 

 

 

 

【それじゃあ繰上げ、繰下げ、どっちがいいの?】

 

とはいえ、せっかく安くない保険料を支払っているのだからできるだけたくさんもらいたいのが本音ですよね。
本質的には元気なうちにもらうものではないとしても、早くもらったほうがお得になるなら当然早くもらいたいですものね!

実際年金を受給するタイミングを考える時に「損益分岐点」という考え方もあるようです。

損益分岐点とは年金をどのタイミングでもらえば一番お得になるか算出するということです。


しかし年金は加入期間や保険料の支払い額、家族構成などによってもらえる金額や控除額などの計算が細かく変わってくるので人によっていつもらうのが良いのかタイミングが変わります。

そのうえ自分の寿命があと何年なのか、前もってわかるわけではありません。

一概に繰り上げたほうが良いとか繰り下げたほうが良いなどと答えられないのが難しいところなのです。

 

ではどうすれば自分にとって一番良いタイミングで年金が受け取れるのでしょうか。

この場合は国民年金事務所に直接相談しに行くのが最適解のようです。

ねんきん定期便を持参すれば個々のデータに基づいてより良いタイミングを試算してくれるそうです。

あとは年金事務所で試算してくれた結果をもとに、自分自身の健康状態を考慮しつつ受給のタイミングを決定すればいいのではないかと思います。

 

 

 

 

【将来的には年金の減額は避けられない】

 

それより心配しなければいけないのは将来の受給金額です。

そもそもの年金額が目減りしていたら、老後の資金もないのにやむを得ず繰上げで年金を受け取った人は長生きしたら詰んでしまうという事態になってしまいますよね!


年金は加速度的に進む少子高齢化に伴う財源確保の困難により年々減額されることが予想されています

私たちが将来年金をもらう歳になった時、ねんきん定期便で約束されている金額通りにもらえるかどうか、かなり怪しいなぁとは思いませんか?

 

 

 

 

【年金に頼らない資産形成が必要】

 

年金は歳を取って身体の自由が利かなくなり収入が途絶えた時に大きな拠り所となる大切な財源です。

しかしその金額が目減りしてしまうのであれば、早い段階からの備えが必要ということになります。


国に文句を言って訴えることも大切ですが、それだけでは問題を解決することはできません。

自分の身を守れるのは自分だけですから、極力年金に頼らなくて済むよう早いうちから老後の備えはしておくべきでしょう。

 

 

 

 

【資産形成は若いうちからするべき!】

 

できれば老後の資金作りは20代~30代前半くらいの若いうちから始めたほうが良いです。

積立型の投資信託など複利で運用できる金融商品で早い時期から老後の資産形成をしていれば、時間が味方になってくれるので、無理なく大きな財産を作ることができます。


ちなみに毎月1万円ずつ積み立てて年利約4%で複利運用した場合、30年続ければ約700万円、40年続ければ約1200万円の資産が作れます!

 

 

 

 

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今日は年金に対する私の思いや対策などを考えてみました。

老いは誰にでも訪れるものです。

健康な身体のままで一生を終えられるか否かは誰にも予測できません。

年金は老後の生活に備えるセーフティネットですが、そのあり方が少しずつ崩れ始めているという考えを忘れないようにして、できるだけ若いうちからの備えが肝心なのではないかなと思いました。

 

自分の身を守れるのは自分だけです!

国や制度を恨んでも現状を変えることは困難ですし誰も助けてくれません。

悲しいことではありますが、そんなことはこのコロナ禍で誰もが痛感したことでしょう。

ですから一人一人がしっかりと当事者意識を持って、自分の老後について真剣に対策しておきましょうね!

ではでは~!!